朝日新聞7月20日付夕刊の「時代の栞」というコーナーで、ケストナーの『動物会議』が取り上げられました。紙面の半分を使ったカラーの大きな記事で、ケストナーがどうしてこの作品を書いたのか、翻訳者の池田香代子さんの言葉、ドイツ文学研究者による作品の現代的な読み解きなどが書かれています。
ケストナーがこの作品を書いたのは1949年、日本に紹介されたのも1954年とすでに刊行から半世紀以上たっています。でもまだここで提起された問題が解決していない(どころか、もっと悪くなりつつある)ことに、どうしようもない無力感を覚える人もいることでしょう。そんな時にこそ大事なのが「ユーモアを忘れないこと」「絶望して諦めないこと」だと、ケストナーとこの記事に登場する人たち、さらにはこの記事を書いた人も私たちに伝えようとしてくれています。
今年の夏はぜひケストナーを読みましょう! そして、彼が生きた時代とその作品が語りかけてくるものを、今こそしっかり受け止めたいと思います。
※「時代の栞(ときのしおり)」は有料記事ですが、オンラインでも読めるそうです。
『どうぶつ会議』エーリヒ・ケストナー文/ヴァルター・トリヤー絵/光吉夏弥 訳/岩波の子どもの本 1100円(税込)
『終戦日記一九四五』エーリヒ・ケストナー著/酒寄進一 訳/岩波文庫 1067円(税込)
ケストナーの伝記を読むと、時代がもっとよくわかる!
『エーリヒ・ケストナー こわれた時代』クラウス・コルドン著/ガンツェンミュラー文子 訳/偕成社 2750円(税込)
※翻訳者のガンツェンミュラー文子さんのメッセージカード入りです。
ケストナーの伝記の著者クラウス・コルドンが描く、激動のベルリンに生きるある一家の物語 ベルリン3部作もお見逃しなく!
『ベルリン1919(上下)』『ベルリン1933(上下)』『ベルリン1945(上下)』クラウス・コルドン作/酒寄進一 訳/岩波少年文庫 各1320円
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