『ページをめくる指』(金井美恵子著/平凡社ライブラリー/1365円)
 かつて福音館書店の月刊誌「母の友」に連載され、2000年に平凡社から単行本で出版されていた本書は、長く品切れになっていましたが、このたび装いも新たに平凡社ライブラリーより再刊されました。カラーの写真は少なくなりましたが、代わりに今回は石井桃子さんへのインタヴューやその他児童文学について書かれた文章が加わり、さらに素敵な本になったともいえます。入ってきたその日にスタッフが皆で買い求めたこの本、絵本や児童文学に興味のある方はもちろんのこと、本をめぐるエッセイとしても楽しんでいただける1冊です。

『橋をかける』『バーゼルより』(美智子/文藝春秋/各1890円)
 すえもりブックスから刊行されていた本の復刊―装丁も以前と全く同じなのでまさに「完全復刊」といった感です。皇后美智子さまが、ご自分の少女時代の読書の思い出を語られた『橋をかける』、そして2002年、国際児童図書評議会の50周年記念大会の開会式において、皇后様がされたお祝いのご挨拶を収録した『バーゼルより』。どちらも子どもにとっての読書を考える人たちや、子どもと本を結ぶ活動をしている人たちには、ぜひ読んでいただきたい1冊です。このように復刊されて手に入るようになったのは、大変嬉しいことです。