クリーンヒット⚾  絵本
『ひとはなくもの』
みやのすみれ 作
やべ みつのり 絵
こぐま社 刊
2020年5月 発行
本体1,200円+税
24ページ
対象:幼児以上

泣いているわたしを好きになって
すみれは、よく泣きます。
悲しいとき、痛いとき、くやしい時……。
「泣く子は嫌い」と、お母さんは言うけれど、
でも、人は泣くもの。
「泣いている私を、お母さん好きになりなさい」
と、すみれは訴えます。

この絵本は中学生の作者が小学1年生の時に作った紙芝居がもとになっています。
詳しくは、巻末の〈作者のことば〉をぜひお読みください。
彼女の言葉に、私は唸り、若い作者の頼もしさに嬉しくなってしまいました。

そして泣きべそすみれを好きにならずにはいられない絵を描いたのは、作者のおじいさんでもあるベテラン画家。なるほど、すみれ(=子どもたち)への愛情に満ちています。

ある先生が、新潟では「泣き」(泣き虫のこと)は頭がいいと教えられて育ったと言います。
泣き虫だった子どもの頃の私がそれを聞いたら、どんなに嬉しかったか!
でも、今はこの絵本があります。全国の泣き虫さんを励ましてくれるでしょう。 (や)