ベスト👍 ノンフィクション
『チョウはなぜ飛ぶか』
日高敏隆 著
岩波書店 刊
2020年5月 発行
本体760円+税
261ページ
対象:小学校高学年以上
チョウのひみつを探れ
動物行動学者の著者が、小学生の頃に気がついた小さな「なぜ」。それは、どうしてアゲハは同じ道を飛ぶのか、というものでした。
その疑問を大人になっても忘れず、地道な観察と実験で解き明かしていきます。日高さんの夢中の熱量が、淡々とした文章から伝わってくる名著です。「なぜ」に迫っていくワクワク感にあふれています。
個人的なことになりますが、“チョウの飛ぶ道”の一部分を小学4年か5年生の頃の国語の教科書で読んだ記憶がありました(タイトルも著者も覚えてはいませんよ。ただ、チョウは日かげをぬって飛ぶってことが印象的に残っていたのです。あと、地図!)。
今回、手に取りやすい形で巡り合うことができ、とても嬉しいです! 今の子どもたちにもぜひ、読んでほしいと思います。今から40年以上も前に書かれたものですが、まったく古くない!
*おまけ
『まぼろし色のモンシロチョウ』(「たくさんのふしぎ」2020年6月号/福音館書店)でもチョウの観察と実験をまとめています。あわせて読むと、もっとおもしろいです!
人間の目に見えている世界が、常識ではないのね……と思いました。生き物それぞれに見えている(感じている)世界があるのだなあ。 (す)