ベスト👍  フィクション
『ほんとうの願いがかなうとき』
バーバラ・オコーナー 著
中野怜奈 訳
偕成社 刊
2019年12月 発行
本体1,600+税
266ページ
対象:小学校高学年以上

本当の願いはただひとつ
コロナの不安と自粛に鬱々としていた時に手に取り、ガチガチに固まっていた私の心をやわらかに解きほぐしてくれた作品です。
2019年に刊行されたものですが、去年は取り上げることができなかったので、今回、満を持してご紹介!

5年生の女の子チャーリーは、子どもの面倒をみられなくなった両親と親代わりの姉ジャッキーと離され、おばさん夫婦に預けられます。そこは映画館もショッピングセンターも何もないアメリカの田舎町でした。怒りと寂しさから頑なに心を閉ざすチャーリーは、毎日、「幸運のしるし」を探しては、願い事をします。そんなチャーリーの隣には、足の不自由なクラスメートのハワードがいつも側にいました……。

人は欠けがあるからこそ、互いに補い合い、そして、本当の居場所と幸せを見つけていく……そんなことを心から信じさせてくれる作品です。久しぶりに温かな涙を流しました。 (く)