イェラ・レップマンという名前をご存知でしょうか。子どもの本をめぐる国際的なネットワークである国際児童図書評議会(IBBY)の創設者で、第2次世界大戦後の荒廃したドイツで、子どもたちが希望を持って生きる未来のために「本」が果たす重要な役割を具体的に示した女性です。このレップマンの理想を受け継ぐ形で活動を続けてきたIBBYとその仕事、またIBBYと日本国際児童図書評議会(JBBY)の双方で重要な役割を果たしてこられた、末盛千枝子さんと島多代さんからのメッセージなどがまとめられたものが本書です。2014年に国際アンデルセン賞を受賞された上橋菜穂子さんも寄稿された魅力たっぷりの1冊を、ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。
そして、イェラ・レップマンに興味を持たれた方は、ぜひ彼女自身の言葉にふれてください!レップマンが目指した「子どもの本を通しての国際理解」が、今ほど必要とされている時はありません。
『子どもの本がつなぐ希望の世界―イェラ・レップマンの平和への願い』
日本国際児童図書評議会40周年記念出版委員会・編/早川敦子、板東悠美子・監修/彩流社 2200円+税
『子どもの本は世界の架け橋』イェラ・レップマン著/森本真実訳/こぐま社 2000円+税