カナダの動物文学といえば、なんといっても「シートン動物記」が有名ですね!今月、福音館書店から刊行されたこちらの本の著者、チャールズ・G・D・ロバーツは1860年生まれでナント!シートンと同い年でした。ビックリ~。ロバーツは「カナダ文学の父」と呼ばれ、野生動物をリアルに描く“写実的動物文学”というジャンルを確立した人だそうです。この物語は彼の代表作ですが、動物文学によくある“悲劇的な結末”(『オオカミ王ロボ』とか、悲しいですよね…)ではなく、主人公が最後まで生き残る希望を感じさせる終わり方なのだとか。なので、悲しいお話が苦手な人にもぜひお勧めです。翻訳者の桂宥子さんは「しばし煩わしい日常生活を離れ、レッド・フォックスとともに、カナダの大自然の四季、森の空気や光や風、そこに住む動物たちの息づかいを感じて、爽快な気分を味わってください。」とあとがきに書かれています。読書の秋、秋の夜長の1冊にいかがですか?チャールズ・リビングストン・ブルの素晴らしい挿絵からは、カナダの自然と命の躍動が感じられます!
『レッド・フォックス カナダの森のキツネ物語』
チャールズ・G・D・ロバーツ作/桂宥子訳/チャールズ・リビングストン・ブル画/福音館書店 1400円+税