yamaguchi
福音館書店の月刊誌「母の友」で1999年4月~9月に連載され、大変反響のあったものだそうですが、今回初めて読んでそのわけがわかりました!これは子どもと本にかかわるすべての人に読んでほしい1冊です。子どもはどのように絵本を読むのか、そしてどのように(そのなにを)記憶しているのかが、とても明快に書かれています。著者の山口雅子さんが教え子の学生たちに与えた「子どものころに好きだった絵本を思い出す」という課題に対して、学生たちの出したレポートが紹介されていますが、心に深く刻まれた一つ一つの絵本体験の素晴らしさに感動しました。絵本ならなんでもよいというわけではなく、子どもにとっての真実が描かれた作品(その多くはロングセラーの作品ですが)ほど、読んでくれた大人(お母さんやお父さん、保育園の先生など)との関わりと硬く結びつき、子どもの心の中に幸せな記憶として残っていくのだと改めて感じました。