• 期日: 2019年1月26日(土)~ 2019年2月7日(木)まで
    時間: 10時~20時
    ※最終日17時まで
    場所: 教文館4階エインカレムギャラリー
    主催: 教文館

 

心があたたまる井崎氏の木彫オブジェ、フレーム、トレー、家具、人形、版画・・・の数々を

新作も含めてご紹介、販売いたします。

毎年新年最初の展示会はここ銀座教文館四階ギャラリーでお世話になっています。

出版社の企画で五十代から展示会が始まり、

七十代に入ってもなお継続させていただけることは感謝です。

たく寒い冬です。

よいしょと腰をあげないと、出られぬ季節ながら、

ご案内させていただきます。

作家在廊予定日一月二十六、二十七日、二月六日、七日 

井崎正治

 

元旦は早朝から町内のお役目を済まして散歩をしてみた。自宅から四百メートルほどの所に母校の小学校がある。無断侵入禁止だが怪しくすり抜けて入ってしまった。昔の校舎は全て木造のものだったが今はその面影は何もない。校庭の鉄棒、砂場、バックネットそのどれもがとてつもなく大きく見えたのは昔の話。敷地の東脇には楠がある。いまもその姿は健在で空に向かって枝葉を広げている。かつては楠の大木だと思っていた。

しかし改めて眺めてみるとこんなもんだったっけと首をかしげてしまうくらいのものだ。当時の小学校で教頭をされていたY先生の話で、樹木には人間でははかりしれないものがあり樹齢の大きさだけの沈黙が詰まっているんだよと話されたのを思い出す。木の下に入ると、木漏れ日が揺れ動き懐かしい感覚を呼び覚ましてくれるようだった。六十数年ぶりに根元に腰をおろして暫し学校を眺めていると幼い頃の記憶たちが背中をたたくような感じがした。

平成時代最後の正月。何が変わる訳ではないと冷ややかに思いつつ氏神さんに出向いたら、神妙に手を合わせ欲張りな御願いをしてしまった。おまけにご来光まで拝んでしまったので何か良いことがありそうな気がしてならない。春には新たな元号が用意され次の時代が始まる。大きな移り変わりを体験した昭和、平成時代を過ごしてきたせいか次の新たな時代を迎えるという実感が今ひとつ湧かないでいる。おまけに来年はオリンピックの年だが、なぜかオリンピック騒ぎには加われそうにない気がする。ともあれ昭和、平成、○○時代と3時代を迎え過ごせることは感慨深いものがありそうだ。

※井崎正治氏の案内状から転載