キリスト教行事
キリスト教の三大行事についの解説です。日本で知られている行事も、その本当の意味を少しだけ知っておくともっと意義深いかも。
クリスマス(降誕節)
救い主イエス・キリストの降誕を祝う祭日で、英語においては”キリストのミサ”という意味を持っています。正確な日は不明で、4世紀より古代教会で降誕を祝う祭日が生まれました。ローマでは、当時盛んであった太陽神崇拝のミトラス教が、ローマ暦で冬至にあたる12月25日を不滅の太陽神の誕生日としていましたが、教会ではキリストこそ真の正義の太陽であるとの考えから、この日を主の降誕の日として祝うようになりました。
祭壇の前にイエス・キリスト誕生の場面を模した馬小屋の伝統は、アッシジのフランチェスコ以来のもので、クリスマスツリーやリース、ヒイラギなどは、もともとキリスト教以前のヨーロッパの冬至祭に由来し、もみの木のクリスマスツリーは、17世紀以降に飾られるようになりました。
●アドヴェント・カレンダー
クリスマス前の4番目の日曜日から始まる期間を待降節または降臨節と呼び、クリスマスの日まで、1日ごとに番号のついた扉を順番に開けていくカレンダーです。
イースター(復活節)
復活祭。受難と死を通して復活したキリストの過越しを記念する日で、教会暦の中で最も重要な日であり、復活の主日とも呼ばれます。かつては日付に関する論争がありましたが、325年のニカイア公会議の決定に基づき、春分後の最初の満月の次の日曜日とすることに決着しました。東方教会の一部ではユリウス暦に従っているため、年によって東西両教会では異なる日付に祝われます。
●イースターエッグ
復活祭に交換し合う、装飾されたたまごを指します。鳥が卵の殻を破って出てくることを、キリストが墓から復活した出来事になぞらえ、たまごは蘇りの象徴とされ、中世、復活祭に装飾したたまごを墓のレプリカに飾る習慣が一般化しました。
ペンテコステ(聖霊降臨)
イエス・キリストは十字架の苦難を受けた後、天にあげられる前に、ご自分が復活して生きていることを示すために、40日にわたって弟子たちに現れ、聖霊による洗礼を約束し、ユダヤ教祭事暦、五旬節の日(ギリシア語のペンテコステは50をさす数詞)に実現しました。
聖霊が使徒たちの上に下ったことと、教会とその宣教活動の始まりを記念する聖霊降臨祭は、ユダヤ教の五旬節の日にこの出来事が起こったことに基づいて、復活祭から50日目の日曜日に祝われます。現在はこの日をもって復活節が終了します。
「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした[使徒言行録2章1節~4節]
「神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。それで、イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです[使徒言行録2章32節~33節]